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トップ > 本(資料)を探す > 学習支援 >図書館長がすすめる良書

 図書館長がすすめる良書 & 読書感想文コンテスト 2009

平成21年7月30日

 図書館長からのメッセージ 政策情報学部教授 三橋規宏

 大学時代は、貴重な人格形成の時期です。お金万能主義の世の中で、人のつながりが薄れ、
自殺者の増加、無差別殺人など凄惨な事件が目立ちます。こんな時代こそ良書をじっくり読んで、
心の畑を耕し、他人を思いやる心、強靭で、豊かな精神を磨いてもらいたいと思います。
  良書こそ、一生の宝ものです。人生の方向を見失った時、挫折した時、成功した時、
様々な人生の岐路に遭遇した時、反省と自戒のために戻るべき心の故郷が良書です。

 昨年紹介した良書に、最近出版された本の中から数冊選んで追加しました。また、
皆さんの読書意欲を刺激するために、 良書の読書感想文コンテスト(最優秀賞:
副賞3万円)
を今年も実施します。
読みっ放しではなく、読書の感想を書くことで、良書から得られる感動はさらに深まります。
ふるってコンテストに挑戦してみてください。

「図書館長がすすめる良書」は図書館1階開架閲覧室展示コーナーにて展示しています。
もちろん貸出も可能です。ぜひご利用下さい。

  1. 歴史の転換期を生き抜く ←2009/12/7更新!
  2. 豊かな感性を育む
  3. 環境への理解を深める
  4. 現代を読む 
  5. 2008年度読書感想文コンテスト入賞作品の対象図書

1.歴史の転換期を生き抜く
書名 / 著者 紹介 本学の所蔵(書名をクリックすると詳細情報を表示)
後藤新平 100年先を見据え、公衆衛生、鉄道、道路、郵便、都市計画など近代日本の社会インフラづくりに豪腕を発揮し、明治の「大風呂敷」と言われた後藤新平の生き方を紹介。 後藤新平(週刊『日本の100人』 デアゴスティーニ・ジャパン)
武士道 / 新渡戸稲造 「太平洋の懸け橋」たらんとした著者が、日本精神を世界に紹介するため、英文で書いた著作の邦訳。「武士道は・・・桜花と同じく、日本の土地に固有の花」である、と説く。 武士道(岩波文庫)
新渡戸稲造全集第1巻(教文館)
武士道 : いま、拠って立つべき“日本の精神"(PHP研究所)
武士道 : 日本のこころ : 日本思想の解明(教文館)
代表的日本人 / 内村鑑三 英文で書かれた著作の邦訳。西郷隆盛、上杉鷹山、二宮尊徳、中江藤樹、日蓮上人の5人の生き方を通して「日本人とは何か」を世界に伝えた。本書を通して日本人を理解した米大統領もいる。 代表的日本人(岩波文庫)
代表的日本人(岩波文庫)
代表的日本人(PHPエディターズ・グループ) (2009/12/7追加)
清貧の思想 / 中野孝次

物質万能の風潮に対し、著者は日本の最も誇りうる文化として、清貧を尊ぶ思想があるとして、光悦、西行、兼好、良寛ら先人の内面の価値を尊ぶ生き方を紹介している。

清貧の思想(草思社) 4冊あり
ソクラテスの弁明 クリトン / プラトン

関連する二つの作品が一冊の文庫本にまとめられている。死刑を受け入れた哲人、ソクラテスの生き方を通して人間の「理性(ロゴス)」について深く考えさせられる。

ソクラテスの弁明 ; クリトン(岩波文庫)
ソクラテスの弁明 ; クリトン(講談社学術文庫)
ほか
フランクリン自伝 / フランクリン アメリカ独立時代の政治家。好奇心に富み、堅実で勤勉、何事も実験し、自分で納得して前に進む。彼の思想と生涯に理想とされるアメリカ人像が凝結されていると言われる。 フランクリン自伝(岩波文庫)
フランクリン自伝(中公クラシックス)
武士の家計簿 / 磯田道史

幕末の加賀藩の会計を担当した一族の家計簿、会計はいつの時代も大切だ。

武士の家計簿 : 「加賀藩御算用者」の幕末維新 (新潮新書)
(2009NEW!)
歴史とは何か / E.H. カー
60年代初めにケンブリッジ大学で行った同名の講演に基づいて書かれた。客観的な歴史記述を否定し、歴史を理解するためには「現在と過去との間の対話」が必要だと説いている。 歴史とは何か (岩波新書)
(2009NEW!)
学問のすすめ : 現代語訳 / 福澤諭吉著 ; 齋藤孝訳
明治初期に出版された「学問のすすめ」は、文語体で書かれていたが、本書はそれを現代語訳にしたもの。当時70万冊のベストセラーになった本だけに今読でも説得力がある。 学問のすすめ : 現代語訳 (ちくま新書)
(2009NEW!)
古代への情熱 / H・シュリーマン
猛烈な勉強と経済的苦闘の結果独力によりトロヤ・ミケネの発掘事業に着手、多くの遺跡を発見したシュリーマンの自伝。 古代への情熱(小学館地球人ライブラリー)
古代への情熱 : シュリーマン自伝(新潮文庫)
ほか
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2. 豊かな感性を育む
書名 / 著者 紹介 本学の所蔵(書名をクリックすると詳細情報を表示)
センス・オブ・ワンダー / レイチェル・カーソン 美しいもの、未知なもの、神秘的なものに目を見はる感性(センス・オブ・ワンダー)を子供の時代に育むことが大切。「沈黙の春」のレイチェル・カーソンの心の原点が分かる。 センス・オブ・ワンダー(新潮社)
すばらしい新世界 / ハックスリイ

SF小説。未来社会とは、人間の本性は何かを考えさせられる。

すばらしい新世界 (世界SF全集 早川書房)
老人と海 / ヘミングウェイ

老漁師と巨大なかじきまぐろとの死闘を通して生れてくる友情。大自然の中で生き抜く男の勇気とロマンを描いた名作。

老人と海(新潮文庫)
ヘミングウェイ全集第7巻(三笠書房) ほか
楢山節考 / 深沢七郎

70歳を迎えた母親を実の息子が楢山に捨てに行く悲しい物語。厳しい冬を乗り越え、若い世代を生かすため村には姥捨ての掟がある。地球限界時代の今に通ずるものがある。

楢山節考(新潮文庫)
楢山節考(中央公論社)
おろしや国酔夢譚 / 井上靖

鎖国の江戸時代、船頭大黒屋工太夫一行が漂流し、極東ロシアにたどり着く、極寒のロシアを転々とし、ペテルブルグまで足を伸ばす。10年近くの歳月をかけて帰国するまでの苦悩とロマンが心を打つ。

井上靖小説全集第28巻(新潮社)
アラスカ物語 / 新田次郎

明治初期、日本を離れた主人公は、北米最北端のエスキモーの村、ポイントバローにたどり着く。勇気と知恵で滅亡の淵に立つエスキモー一族を救う。実話。

アラスカ物語(新潮文庫)
新田次郎全集第14巻(新潮社) ほか
出家とその弟子 / 倉田百三

浄土真宗の開祖、親鸞と弟子との問答を軸にした戯曲仕立ての読み物。宗教と恋愛の相克を 中心に人間とは何か、人を許すことの意味とは何かなどを考える。

出家とその弟子(岩波文庫)
出家とその弟子(角川文庫) ほか

天才の栄光と挫折 / 藤原正彦

ニュートン、関考和、ガロワなど天才という呼称をほしいままにした9人の数学者たちの栄光と苦悩、失意と孤独を描いた人物列伝。

天才の栄光と挫折(新潮選書)
 
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3.環境への理解を深める
書名 / 著者 紹介 本学の所蔵(書名をクリックすると詳細情報を表示)
自然学の提唱 / 今西錦司

自然を生存競争の場としてとらえるダーウィンに対し、棲み分け論を展開し、生物の平和的共存を主張する今西自然学が優しく解説されている。

自然学の提唱 ; 自然学の展開 増補版(講談社今西錦司全集第13巻)
自然学の提唱(講談社学術文庫)
比較文明 / 伊東俊太郎

人類が猿と別れ、人間として歩み出した人類革命の時代から17世紀の科学革命の時代まで人類の発展を5段階に分けて分析している。これからの時代を考える参考になる。

比較文明(東京大学出版会)
成長の限界 : 人類の選択 / ドネラ・H・メドウズほか

70年代初め、ローマクラブが人口増加や高い経済成長が際限なく続くと、人類はその生存上、重大な危機に直面すると警告した。地球の限界を最初に指摘したレポート。

成長の限界(ダイヤモンド社)
大江戸リサイクル事情 / 石川英輔

人口100万人を抱えた江戸時代の日本は、世界に類をみないリサイクル社会を作り上げていた。リユース、リサイクルが徹底し、ゼロエミッション社会が形成されていた。

大江戸リサイクル事情(講談社)
スモール・イズ・ビューティフル : 人間中心の経済学 / E.F.シューマッハー

現代文明の根底にある物質至上主義と科学技術の巨大信仰を批判し、「人間は小さいものだ、だからこそ、小さいことはすばらしいことだ」として人間中心の経済学の必要性を説く。

スモール・イズ・ビューティフル(講談社学術文庫)
スモール・イズ・ビューティフル再論 (講談社学術文庫)
不都合な真実 : 切迫する地球温暖化、そして私たちにできること / アル・ゴア

アメリカの元副大統領だった著者が、温暖化がもたらす気候変動の恐ろしさをきわめてリアルに描写している。不都合な真実に向き合う勇気を説く。2007年ノーベル平和賞を受賞。

不都合な真実(ランダムハウス講談社)
地球環境報告 / 石弘之

日本を代表する環境ジャーナリストが、80カ国以上の国を自らの足で歩き、調査した地球環境の破壊の様子が具体的に描かれ迫力がある。文章も平易で分かりやすい。

地球環境報告(岩波新書)
環境倫理学のすすめ / 加藤尚武

日本における環境倫理学の提唱者で、自然の生存権の問題、世代間倫理の問題などをどのように考えるべきかを具体的に提言している。

環境倫理学のすすめ(丸善ライブラリー)
新・環境倫理学のすすめ(丸善ライブラリー)
(2009NEW!)
温暖化地獄 : 脱出のシナリオ / 山本良一

すでに世界は危険な状態に入っている。最新の科学的知見を紹介しながら、暴走の兆しを見せ始めた温暖化の現状と地球の将来を具体的に展望している。

温暖化地獄(ダイヤモンド社)
温暖化地獄(Ver.2)(ダイヤモンド社)
(2009NEW!)
ハチはなぜ大量死したのか / ローワン・ジェイコブセン
ミツバチの大量死が世界的規模で発生し、果樹農家に大きな打撃を与えている。生態系にとてつもない異変が起こっているのか。本書はその謎解きに迫る。 ハチはなぜ大量死したのか(文藝春秋)
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4.現代を読む
書名 / 著者 紹介 本学の所蔵(書名をクリックすると詳細情報を表示)
社会的共通資本 / 宇沢弘文

日本を代表する経済学者が到達した思索の結晶。人間的に魅力ある社会を維持するため自然環境の維持など安定した社会的装置の構築が必要だと強調している。

社会的共通資本(岩波新書)
蟹工船 / 小林多喜二 格差社会が進む中で、派遣、パート労働者たちの置かれた環境は、貧しかった戦前、カムチャッカ沖の蟹工船で過酷な労働を強いられた人々とどこか重なって見える。 蟹工船・党生活者(新潮文庫)
蟹工船・党生活者(角川文庫)
蟹工船 ; 一九二八・三・一五(岩波文庫)
時が滲む朝 / 楊逸

1935年創設の芥川賞史上、獲得言語(母語以外に学んで身につけた言語)での初受賞作。天安門事件前夜から北京五輪前夜まで、二人の中国人大学生の人生を通して現代中国と日本を描いている。

時が滲む朝(文藝春秋)
(2009NEW!)
ミシェル・オバマ : 愛が生んだ奇跡 / デヴィッド・コルバート
米国初の黒人大統領、オバマ大統領夫人の半生。シカゴの貧しい黒人居住区に奴隷の子孫として生れた賢い少女がファーストレデイになるまでの人生を描く。 ミシェル・オバマ : 愛が生んだ奇跡(アートデイズ)
(2009NEW!)
人間の覚悟 / 五木寛之
深刻な不況や自殺者の急増など先行き不透明な時代をいかに生きるべきか。親鸞の教えから、不安の多い時代を過ごすための覚悟を分かりやすく語っている。 人間の覚悟 (新潮新書)
(2009NEW!)
生物と無生物のあいだ / 福岡伸一
今春は豚インフルエンザで日本国中が大騒ぎになった。インフルエンザの原因物質、ウイルスは生物なのかそれとも無生物なのか。ウイルスの謎に迫る。 生物と無生物のあいだ(講談社現代新書)
(2009NEW!)
ジャーナリズムの可能性 / 原寿雄
自由と民主主義の社会に、健全なジャーナリズムは不可欠である。だが、権力との癒着、過熱する事件報道などによりマスコミへの不信感が強まる中で、ジャーナリズム再生の道を考える。 ジャーナリズムの可能性(岩波新書)
(2009/8/28追加)
リストラなしの「年輪経営」 : いい会社は「遠きをはかり」ゆっくり成長 / 塚越寛
長野県伊那市で、48年にわたり寒天作りに取り組んできた、伊那食品工業(株)という超優良企業の社長(現在は会長)の経営哲学が興味深い。 リストラなしの「年輪経営」(光文社)
(2009/8/28追加)
リンゴが教えてくれたこと / 木村秋則
無農薬・無肥料・リンゴ栽培を成功させ、「奇跡のリンゴ」で時の人となった農業家が苦難の足跡をたどりながら独自の自然観を語る。 リンゴが教えてくれたこと(日経プレミアシリーズ)
(2009/10/30更新)
差別と日本人 / 野中広務、辛淑玉
差別ということの歴史、風土、国民性、政治…、二人の著者は対話をしながら様々な引き出しを開けていく。人が避けて通ろうとする差別意識への強い問題提起である。 差別と日本人(角川oneテーマ21)
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5.2008年度読書感想文コンテスト入賞作品の対象図書(2009年度コンテストでは対象外になります)
書名 / 著者 紹介 本学の所蔵(書名をクリックすると詳細情報を表示)
走れメロス / 太宰治

人間の友情と信頼の美しさを簡潔な文章でまとめた短編小説。読後感がすがすがしい。

走れメロス(新潮文庫)
走れメロス(角川文庫) ほか
ルポ貧困大国アメリカ / 堤未果

豊かな国と思われているアメリカで、今、一部の成功者と、多くの中流層の貧困層化、貧困層の最貧層化という社会の二極分化が進んでいる。貧困層の実態を克明にルポ。

ルポ貧困大国アメリカ(岩波新書)
福翁自伝 / 福沢諭吉

小外様大名・中津藩の下級武士出身の福沢諭吉が幕末から明治維新にかけての激動の時代をどのように生きたか、旺盛な好奇心と野次馬精神で幕末・維新の裏面史が生き生きと語られている。

福翁自傳(岩波文庫)
福翁自伝(慶応通信)
福翁自伝(岩波クラシックス) 他多数
壁 / 安部公房

ある朝、突然自分の名前を喪失した男、50年以上前の小説だが、ちっとも古びていない。

(新潮文庫)
安部公房全作品第2巻(新潮社) ほか
ライ麦畑でつかまえて / J.D.サリンジャー

高校を退学になった主人公が自己否定と自己肯定を繰り返しながら過ごす数日間を描く。主人公と同世代のうちに読んでほしい作品。

ライ麦畑でつかまえて(白水Uブックス)
ライ麦畑でつかまえて(新しい世界の文学 白水社)
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